AdobeMAX2020では、新機能や新技術などさまざまな発表がされました。
Photoshopについても新機能や連携など発表されましたが、中でも大きく話題にあげられたのが「ニューラルフィルタ」です。
機械学習Adobe Sensei を駆使して魔法のようなフィルター処理をしてくれます。
古い白黒写真をカラーにしたり、顔の表情を変えたり、ポートレートを大幅に編集したり。
これらの処理が、簡単に実現できてしまう不思議な「ニューラルフィルター」を早速試してみたいと思います。
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「肌をスムーズに」で美肌効果
スマホカメラでお馴染みのいわゆる美肌フィルター。被写体の肌をスムーズに美しくしてくれます。シミや吹き出物そしてシワまでも、無かったことにしてくれます。高画質で撮られたスナップ写真も、この機能を使えば一瞬で女優かモデルに早変わり。
被写体として人物が写っているドキュメントを表示した状態で、メニューバーから フィルター > ニューラルフィルター を選択します。
すると顔を認識して顔周辺に枠が表示されます。
「肌をスムーズに」を有効にします。
ニューラルフィルターの操作パネル下の「プレビューの変更」ボタンを押して、フィルター効果の有無を確認します。
左)ニューラルフィルター「肌をスムーズに」有効、右)フィルター効果無効
注意点として、美肌効果が適用されるのは、“顔”に限定されます。フィルター効果で美肌になった写真内の人物ですが、顔以外の部分はフィルター効果がありません。残念ながら。
新規レイヤーで出力したレイヤーを見ると、フィルターの影響範囲が顔の部分だけなのが確認できます。
「スタイルの適用」で絵画風に
画像を一瞬でゴッホ風や北斎風に変換してくれます。
従来のフィルターギャラリーにもイラスト風に仕上げられるフィルターはありましたが、このニューラルフィルターの「スタイルの適用」には名画風の結果が得られるプリセットが備わっています。
散歩で撮影したスナップ写真もこのフィルターを適用すれば、一瞬にして名画家の作品に早変わり。
左)元画像、中)北斎風スタイル、右)ゴッホ風スタイル
他画像のメイクアップを適用
他画像の被写体のメイクを参照して自動でメイクアップ処理をするフィルターです。
ニューラルフィルターの操作パネルで[ベータ版フィルター]を選択します。
ベータ版フィルターはデフォルトでインストールされていないので、初めて「メイクアップを適用」を有効にするにはダウンロードする必要があります。
「メイクアップを適用」をダウンロードします。
「メイクアップを適用」を有効にして、参照するメイクアップ画像を選択します。
男性の口元と目元に「メイクアップを適用」が適用されました…。
※正直言って使いどころが難しいフィルターだと思ってます。被写体の顔を認識してメイクアップを自動で行うフィルター。まるでスマホの写真共有アプリの様です。こんな一発ネタみたいなフィルター効果がフォトショップに必要なのか?筆者の知らないところで需要があるのでしょうか。
スマートポートレートで創造性豊かに調整
ニューラルフィルターの本領発揮と言って良いフィルター群。ポートレートに写る被写体の年齢、表情、毛量、顔の向き などを自由自在に編集・操作できてしまう、まさに魔法の様な画像処理フィルター。
Adobe sensei の威力を存分に発揮したフィルター機能です。実際に使用するには工夫が必要だとは思いますが、自動でここまで出来てしまうのはとにかく凄い。
顔の表情を変える
たとえ被写体の顔の表情が乏しくても、このフィルターを使えば「笑顔」にもなるし「怒り顔」にも変えれます。
左)元画像、中)笑顔、右)怒り
顔の向きを変える
被写体の顔の向きを左右に変化させます。「とても良い写真なんだけど、右向きだったらもっと良かった」なんて時に利用できるかも。
左)元画像、中)右向き、右)左向き
髪のボリュームを変える
被写体の年齢と髪の毛の量を変化させます。
左)元画像、中)年齢を下げて毛量を上ました、右)年齢を上て毛量を下げました
照明の位置を変更する
被写体に当たる照明の位置を変更できます。
左)元画像、右)照明の位置を左側に変更しました
JPEG画像のノイズを軽減する
圧縮により発生したjpeg画像のノイズを削減する事ができます。
左)元画像、右)「ノイズの軽減」適用しました。
深度に応じたかすみ
画像内の被写体を認識して、被写体の奥にかすみ効果を追加するフィルターです。青空が清々しい画像をフィルター効果一つで”五里霧中状態”に一変させます。
ニューラルフィルター操作パネルから「深度に応じたかすみ」を選択。操作パネルで「かすみ」と「暖色」の値を調整します。
被写体の周りがかすみ青空が隠れてしまいました。
白黒画像をカラーにする
白黒写真をカラー化してくれる機能。
白黒写真をカラー化する技術やテクニック、そして思い出の白黒写真をカラー化してくれるサービスは以前からありますが、高度なテクニックや時間そしてお金がかかりました。それがPhotoshopのフィルター機能一つで可能になりました。それも一瞬で。
白黒写真をカラー化する技術情報・富士通スキャンスナップHP:
⇒https://scansnap.fujitsu.com/jp/dstyle/dstyle-10.html
AdobeがTipsとしてサイトに公開していた「白黒写真に色をつける方法」:
⇒https://scansnap.fujitsu.com/jp/dstyle/dstyle-10.html
ニューラルフィルター操作パネルの「白黒画像をカラーにする」を選択。
一瞬で白黒写真に色が着色されました。操作パネルで色相やコントラストなどを調整できます。
赤く染まった箇所の修正と色調指定
「白黒画像をカラーにする」を適用すると赤みが帯びる箇所があります。ニューラルフィルターの不具合なのか調整不足なのかは不明ですが、この赤く染まってしまった箇所を修正します。
操作パネルの画像でカラー調整をクリックして、周辺色及び全体の色調に合わせて色を選び、赤くなった所を選択すると、選択箇所に印が表示されます。「OK」を押します。合わせて色調を指定したい箇所も同じように調整します。
赤色がなくなり、選んだ色に沿って周辺も修正されました。
まとめ:Adobeの実験室、今後も期待
Photoshop2021に実装された「ニューラルフィルター」を紹介しました。
魔法の様な結果が得られる凄い機能が色々とありますが、ニューラルフィルターは実験的な要素も含んでいる様で、今回紹介したフィルターにも「ベータ」の文字が付いたものがあります。そしてフィルターそれぞれに「結果に満足してますか?」とユーザーからのリアクションを求めています。
フィルター名は表示されているけど、まだ使う事ができないフィルターもあり、こちらは「興味あります」ボタンで実装を求む声を要求しているかのよう。
なんだかPhotoshopの実験・開発室みたいです。AdobeMAXに絡めて言えば、将来実装されるか分からないけど、開発中の機能をちょい見せ発表する「sneak」をPhotoshopの中でやってるみたいな感じ。
革新的な機能や、面白いフィルター、逆に全然必要ない機能も含めて、今後このニューラルフィルターにどんな機能が実装されるのか楽しみです。
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